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システム開発の平均費用と料金相場
システム開発会社への依頼を検討する際に気になる費用。
実際、システム開発にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
この記事では、「システム開発の平均費用と料金相場」をわかりやすく解説していきます。
システム開発費用の費用設定の仕組みなど、システム開発会社選びの基礎となる知識も
掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
システム開発の費用相場・費用算出方法1. システム開発の平均費用相場2. システム構築と関わる人材の費用相場3. システム開発と「人件費」4. 主要システムごとの費用相場 メールフォーム 顧客管理 CMS(コンテンツマネジメントシステム) ECサイト 予約管理システム SNS5. 主要工程ごとの費用算出例システム開発費を安く抑えるためには1. 実現したい機能や業務の具体的なイメージを伝える2. システムの使用年数(投資回収期間)を想定する3. ASPやパッケージを利用する4. 一度にすべてをシステム化しない前提条件:システム開発会社に任せっきりにしない参考:実際にシステム開発会社のサイトにある料金表を調べてみた
システム開発の費用相場・費用算出方法
1. システム開発の平均費用相場
初めに、一般的なシステム開発の相場感を見てみましょう。
システム開発の平均費用相場
平均費用の相場 | 233万円~ |
---|
種類別費用目安
<システム開発の種類> | <費用目安> |
---|---|
簡易顧客システム | 20万円~ |
WEBシステム | 130万円~ |
業務システム | 400万円~ |
平均費用相場は233万円〜となっていますが、
種類別の相場を見ていただいてもお分かりのとおり、「何のためのシステムか」でも
費用の目安は大きく異なります。
20万円〜と400万円〜ではもはや別物になってきますよね。
一般的な相場をネットで調べて「200万円くらいで作れるなら」と依頼して
大きく的外れな依頼になってしまった…なんてことも発生しかねません。
システム開発は作るものによって大きく費用が変動する、と念頭に置いておきましょう。
2. システム構築と関わる人材の費用相場
システム開発では「システムの構築」が欠かせません。
システム構築を依頼する際の費用は、一体いくらくらいになるのでしょうか?
費用相場は、関わる人材によって大きく変動します。
人材種類別費用相場

<人材の種別> | <費用相場> | <備考> |
プログラマー(下請け・個人) | 1人月 40~60万円 | ・下請け・個人として可能な範囲の開発に対応 |
プログラマー(大手企業) | 1人月 50~100万円 | ・大規模開発にも対応できる |
システムエンジニア(初級) | 1人月 60~100万円 | ・実務経験を積んで2〜4年ほど ・部分的な設計を任されるエンジニア(システム中枢の設計は難しい) |
システムエンジニア(中級) | 1人月 80〜120万円 | ・5年以上、10年未満の経験を積んでいる ・システム中枢の設計ができる ・開発プロジェクトを牽引していく中心的存在 |
システムエンジニア(上級) | 1人月 100~160万円 | ・10年以上の経験を積んでいるベテラン ・設計以外の諸業務(スケジュール管理やタスク管理、クライアントとのやりとり)も担当できる |
プログラマであれば安くて40万円から60万円程度。
システムエンジニアであれば安くて60万円~120万円程度となっています。
費用はプログラマやエンジニアのスキルや開発規模によっても変動する仕組みが多いようです。
3. システム開発と「人件費」
<費用を決めるのは主に人件費>
企業ホームページにシステム開発の料金を具体的に提示している会社はほとんどありません。
「このプログラマー・エンジニアならいくらでできる」というものでもない、ということです。
具体的に提示していない企業が多い理由の1つとして、システム開発の費用の算出には
「人月」という工数単位が用いられていることが挙げられます。
<「人月」単価とは>
システムを構築する上で必要な人数×1人当たりの作業期間(月単位の単価)のことで、
「人数 × 月数」を意味します。
例えば2人の技術者(システムエンジニアとプログラマ)が2ヵ月でシステムを構築する場合は
「4人月」になります。
技術者1人の単価が60万円だとし、人件費以外が掛からない場合、
「2人 × 2ヵ月 × 60万円 = 240万円」が請求額になります。
つまり、費用を決めるのは
技術者であるシステムエンジニア(SE)およびプログラマ(PG)の単価と投入人数
であり、技術者のスキルや開発規模などによって費用総額は大きく異なってきます。
だからこそシステム開発を行う会社としては、実際にどのようなシステムを構築するかを
ヒアリングしてからでないと、具体的な金額を提示することは難しく、
HP上に料金表として掲載していないというわけです。
4. 主要システムごとの費用相場
これまで「費用は開発するものによる」「かかる人材によって変動する」と述べてきましたが、
開発会社はシステム構築に関するノウハウを蓄積していますので、
すべてのシステムを一から開発するわけではありません。
そのため、主要なシステムについては一応の目安とされる金額があります。
目安の金額を下記の表とその内容をまとめたので、参考にしてみてください。
主要システムの費用目安
<開発内容> | <費用相場> |
---|---|
メールフォーム | 3万~ |
顧客管理 | 50万~ |
CMS | 50万~ |
ECサイト | 50万~ |
予約管理システム | 80万~ |
SNS | 100万~ |
メールフォーム
ホームページに埋め込むメールフォームシステムを構築する場合は、非常にリーズナブルで、3万円ほどで依頼できます。 ちなみに、WordPressを用いてサイトを構築している場合、利用テーマによってはメールフォームが搭載されており、プラグインで追加することもできます。
顧客管理
顧客管理・簡単な帳票の出力など最低限の機能だけであれば50万円程度で開発可能です。 それに加えて複数の業務処理も追加した中規模開発であれば200万円~300万円程度、 更に特殊な処理を行ったり大規模開発が必要な場合は500万円以上かかることもあります。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)
自社独自のCMSを構築したい場合、シンプルなものであれば50万円ほど〜依頼可能。 搭載機能によって費用は大きく左右されるため、高額では400万円ほどかかる場合もあります。
ECサイト
ECサイトのシステムを構築する場合も、60万円ほどから依頼が可能になります。 しかし、サイトの規模・商品数・搭載機能によって価格は大きく変動しますのでご注意ください。こちらも場合によっては400万円ほどかかることもあります。
予約管理システム
予約管理システムを導入する場合は80万円くらいから構築可能です。 電子決済機能や従業員の勤怠管理システムと連携させる場合は300万円ほどかかるでしょう。 より複雑な場合には1,000万円以上かかることもあります。
SNS
SNSのシステムを構築する場合、社内SNSなら100万円くらいから構築することができます。社内SNSではなくオープンかつ大規模なSNSを構築する場合は500万円以上かかるでしょう。
5. 主要工程ごとの費用算出例
例:マッチングプラットフォームを1からシステム開発
実際に弊社アイミツであった取引事例を例として、開発の工程毎の費用を見てみましょう。
<費用項目> | <金額> |
要件定義・設計 | 80万円 |
ディレクション | 30万円 |
デザイン | 60万円 |
フロントエンド開発 | 80万円 |
バックエンド開発 | 850万円 |
合計 | 1100万円 |
上記のように工程毎に人が動いて開発していくため、工程毎に費用がかかることになります。
あくまで一例ですので、「作るもの」「規模」「関わる人材」によって大きく異なりますが、
大規模な開発では1000万円を超える場合もあるようです。
システム開発費を安く抑えるためには
システム開発費を安く抑えるためのポイントは、大きく分けて以下4つです。
<システム開発費を抑えるポイント>
- 実現したい機能や業務の具体的なイメージを伝える
- システムの使用年数(投資回収期間)を想定する
- ASPやパッケージを利用する
- 一度にすべてをシステム化しない
この中で特に大切なのは1つ目の「実現したい機能や業務の具体的なイメージを伝える」です。
言い換えると「要件定義」に近い作業とも言えるでしょう。
詳しい要点は以下の見出しで解説していきます。
1. 実現したい機能や業務の具体的なイメージを伝える
このポイントが一番大切です。
システム開発に限ったことではありませんが、
「どういう機能が欲しいのか」「どんなアウトプットが必要なのか」といった
具体的なイメージが固まっていない状態で発注してしまうと、完成後に、
「こうしたほうがよかった」「別のシステムのほうがいい」など不満が出てくることがあります。
また、システム開発の原則として、
クライアント側の要求があいまいな場合の修正や作り直しは基本的に別料金となるのです。
もちろん、コストだけでなく、時間的なロスも発生してしまうことになります。
このような事態を避けるにも、「受発注管理システムを安く作りたい」「顧客システムが欲しい」
といったざっくりとした要望ではなくて、
具体的な課題感がイメージできるまで課題感をブレークダウンすることが大切です。
具体的には
・「入力間違いなどの人的ミスが多いので、チェック作業にかかる時間とコストが削減できる受発注管理システムが作りたい」
・「顧客情報の属人化により社内での共有ができていないため、顧客管理システムを導入したい」
・「Webサイトからの受注強化のために、オンライン・オフラインでのマーケティングデータを全社で統合して管理できるシステムを構築したい」
というくらいのレベルまで落とし込めているのが理想です。
2. システムの使用年数(投資回収期間)を想定する
最初の段階で構築したシステムを具体的に何年間使用するかを考えることは簡単ではありません。
ですが、現実的に考えて短期間しか使用しないシステムに数百万円単位の構築費をかけるのは、
あまり得策ではないと言えるでしょう。
また、市場の変化が激しい環境では長期間の使用を前提としたシステムを構築しても、
短期間で刷新が必要になるケースも十分に考えられます。
そのため、使用年数や投資回収期間を想定し、搭載機能や要素を絞り込むことも重要です。
3. ASPやパッケージを利用する
ASPとは、アプリケーション・サービス・プロバイダーのことを指します。
SaaSやクラウドと似たような言葉で、インターネット回線のようなインフラと同じく、
アプリケーションをひとつのインフラとしてインターネットを通じてレンタルするイメージです。
自社専用のシステムを開発して自社内のコンピュータにインストールすることに比べて、
安価で利用できることになります。
パッケージはその名の通り、既に完成している1つのパッケージ製品を利用することを示します。
当然、すべてオリジナルでシステム開発する「フルスクラッチ」の開発よりも
「パッケージ」や「ASP」のほうがコストはかからず、開発期間も短くて済みます。
一般的なもの、特別な機能を望まないものであればASP・パッケージは活用できるでしょう。
ただし、「パッケージ」や「ASP」に搭載されている機能は一般的なものであり、
必ずしも自社のシステム構築に適しているわけではありません。
販売会社や開発会社に依頼すれば業務フローに対応したカスタマイズも可能ですが、
カスタマイズ範囲やシステム規模によっては高額になることもあるため、注意が必要です。
4. 一度にすべてをシステム化しない
自社で抱えている課題の改善を図りたい、とシステム開発をされることは多いかと思いますが、
- 今の業務フローのままシステムによって改善できるものなのか
- 業務フローの見直しを必要とするものなのか
- を考えることもシステム構築の費用を抑える上で重要なポイントです。
今の業務フローのまま、人の手による入力作業をシステム化することは、
基本的に一部門内での対応で済むため、システム化や効果測定も容易です。
一方、業務フローの見直しによって課題が解決できるのであれば、当面はシステムを
導入する必要はなくなり、不要不急のシステム投資を安く抑えることができます。
また、業務フローを見直すと、新たなシステム開発を行う必要性が出てくることもあります。
いわゆるBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)であり、
経営トップ層をも巻き込んだ全社的なプロジェクトになっていくケースも少なくありません。
このようにシステム構築の対象を明確にすることは単にコスト面で安くなるだけでなく
プロジェクトを成功させる上でも不可欠な作業です。
前提条件:システム開発会社に任せっきりにしない
ここまで構築費を抑えるための4つのポイントを説明しましたが、大前提として
システム開発会社にすべて任せっきりにするのはNGです。
開発会社はシステム構築のプロですからとにかく任せておけば安心だと思うのは当然ですが
それでは費用を抑えることなど到底できません。
開発会社に任せるべき部分と自社で十分に検討すべき部分とを明確にすることで
初めて最適な費用が算出できるということを肝に銘じておいてください。
参考:実際にシステム開発会社のサイトにある料金表を調べてみた
Google検索でシステム開発会社のホームページを確認し
料金が公開されていないかを調べてみた結果、9割以上の会社がサイトでは料金表や
費用の例を公開することはなく、見積もりを出すタイプでした。
先述したように、必要な機能、開発の規模、希望の納期などによって、費用は
大きく変わってしまうことが原因と言えるでしょう。
その中でも一部ですが、料金表や費用例を開示している会社がありましたので
システム開発の相場を知る参考としてここで紹介いたします。
依頼内容 | システム開発費用 | |
---|---|---|
A社 | ポータルサイト管理システムの開発 | 80万円~ |
B社 | Eラーニングシステムの開発 | 150万円〜 |
C社 | 小規模のシステム開発 | 200万円以下 |
D社 | 中規模開発(Access) | 200万円~ |
E社 | Windows7対応のシステム開発 | 300万円~ |
F社 | ECサイトと基幹システム連携 | 500万円~ |
G社 | 汎用機からのオープン化 | 800万円〜 |
H社 | 中規模のシステム開発 | 1,000万円以下 |
I社 | 大規模のシステム開発 | 2,000万円〜 |
各社のホームページに公開されている金額はそのほとんどが最低価格に近いものです。
今回はシステム開発の相場の参考としてご紹介しましたが、
これらの金額をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
一社だけしか見積もりを取らないと、平均相場が見えず、高くついてしまうことが
ほとんどです。
複数の会社に見積もりを依頼し希望に合ったシステムの開発費用を知ることも大切です。
いかがでしたでしょうか。「自社にあった会社が見つからない」
「会社選びに時間が割けない」「まずは相談をしてみたい」
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