システム開発の手順とスケジュール

システム開発の流れ

システム構築の流れは、下記のようになります。
まずはその全体を見てみましょう。
              システム構築の全工程
順番工程
1作りたいシステムの内容をまとめる
2発注先を探す
3開発範囲を決定し、RFP(提案依頼書)をまとめる
4発注先候補に対してオリエンテーションを行う
5相見積もりを検討して候補を絞り込んで決定
6基本契約書締結
7要求定義作成
8要件定義作成
9外部設計
10内部設計
11個別契約書作成
12テスト計画
13プログラムコーディング開始
14単体テスト
15結合テスト
16システムテスト
17受入テスト
18納品
19本稼働
20保守・メンテナンス
専門用語がズラッと並んでいる印象ですが、個別に理解していけば
もちろん全体を発注者側で管理できるようになります。
技術的な分野なので項目などがわかりづらい場合もありますが
後々の予算管理が非常に楽になります。
それでは、次章でその個々の工程を解説していきます。
 

1.システム構築の全工程解説

 
システムの開発の流れの全工程を見ていきましょう。
 
1.範囲を決定し、RFP(Request For Proposal)をまとめる
「RFP(Request For Proposal)」を普通の言葉にすると「提案依頼書」となります。
欲しいシステムの概要や目的、希望納期などを伝えるためのA4用紙で
1枚ほどのドキュメントです。わかりやすいRFPを書くことで発注もスムーズになります。
 
2.発注先候補に対してオリエンテーションを行う
「オリエンテーション」とは前項目であるRFPを開発業者に説明するプロセスです。
個別にRFPなしに打ち合わせをすると開発会社の担当によって打ち合わせ内容にバラつきが
出てくるので、各社共通に、RFPで説明するのがオリエンテーションだと考えておきましょう。
 
3.相見積もりを検討して候補を絞り込んで決定
「相見積もり」は一般的な言葉ですが、金額だけでなくRFPに対する回答
提案内容をしっかりと見比べてください。
 
4.基本契約書締結
「基本契約書締結」は、開発が進行したときの役割分担などは後回しにして
ざっくりとした金額や保守対応などの枠組みについての合意事項をドキュメントにします。
その名の通り「基本契約書締結」にすぎませんので、必ず「個別契約書作成」を行ってください。
 
5.要求定義作成
「要求定義作成」は一般的な言葉にすると、RFPをもっとかみ砕いて。どんな場面でどんな問題が生じていて、それをどんな風に解決したいかを開発者に伝えることです。
 
6.要件定義作成
「要件定義作成」は平たく言うと、「要求定義」を開発者側から見て
システムに落とし込んだ必要機能などを指します。
 
7.外部設計
「外部設計」は一般的な言葉にすると、全体のインターフェースや業務フローの
画面遷移データベース入出力画面などの外見的な見た目を設計することです。
システムが使いやすいかどうかの鍵になりますのでしっかり打ち合わせをしてその内容を詰めてください。
 
8.内部設計
「内部設計」簡単に言うと、プログラミングの設計です。
この部分についてはシステム開発会社に任せてしまってかまいません。
 
9.個別契約書作成
「個別契約書作成」詳しく言うとと「作業分担内容」「共同作業内容」を明らかにし
「最終的な請負金額」を明記する契約書です。これがないままに開発が見切り発車してしまうと
大きなトラブルを呼ぶことにもなりえますので、十分な注意が必要です。
 
10.テスト計画
「テスト計画」は簡単に言うと、「納品時にどんな検証項目を設定するか」です。
Excelなどでチェックリストを作るのが一般的です。
 
11.プログラムコーディング開始
「プログラムコーディング開始」は文字通り、発注先での作業開始を指します。
システム開発の発注プロセスでは、すでにここまで10の項目があったわけですが
この項目11の「プログラムコーディング開始」を発注のスタートと考えてしまいがちなので要注意です。
 
12.単体テスト
「単体テスト」は簡単に言うとと、分割して作成したプログラムが動くかどうかの
テストです。これは開発側に任せてしまって構いません。
 
13.結合テスト
「結合テスト」は簡単に言うと、分割して作成したプログラムを合体させたときに
動くかどうかのテストです。こちらも開発側に任せてしまって構いません。
 
14.システムテスト
「システムテスト」は簡単に言うと、納品先の環境でプログラムが動くかどうかの
テストです。こちらも開発側に任せてしまって構いません。
 
15.受入テスト
「受入テスト」は簡単に言うと、項目10の「テスト計画」で作ったリストを元に
納品物の検収作業を行うことです。項目17の本稼働後に、システムを動かしながら修正するのは困難が伴います。期待された動作が正しく行われるかを漏れ無く確認しましょう。
 
16.納品
文字通り納品です。物品の注文とはことなり、システムの場合は
稼働してこそ意味があるものです。ここで気を抜かず、次の項目17の本稼働に向けて
社内での導入体制や手順を整えておきましょう。
 
17.本稼働
「本稼働」は、「現場で業務を開始すること」です。この段階で問題が明らかになった場合には
すぐに開発会社に報告して対応するようにしてください。
項目9の「個別契約書作成」に、納品後どのくらいの期間まで無償で不具合に
対応するかが書かれているはずです。期間を過ぎると明らかにプログラムのバグだと
思われる場合であっても、有償の対応となる場合もありますので注意が必要です。
 
18.保守・メンテナンス
文字通り保守・メンテナンスとなります。こちらは基本的には有償となりますので
契約書にて保守・メンテナンスに関わる金額を決めた上で対応してもらうようにしましょう。
 

システム開発のスケジュールについて

システム開発を滞りなく成功させるには適切なスケジュール設定が必要です。
システム開発に掛かる期間は制作するシステムの具合によって大きく異なるでしょう。
すべてのシステムを1から制作する「フルスクラッチ」型では、一般的に最短で6ヶ月
 
ほど時間が掛かるとされています。一方で、ある程度のモジュールを組み合わせて開発ができる
「クラウド」型であれば、最短2ヶ月ほどで開発できるケースがあるのも事実です。
 
とはいえ、実際のシステム開発スケジュールは構築したいシステムや開発工程よって
大きく変動します。あくまで目安の期間となるため、動員されるエンジニア・プログラマーや
予算をもとに、両者が納得する納期を設定することが大切です。
 

システム開発のスケジュール作成の方法ご紹介

ここでは、システム開発のスケジュール作成で元となるWBSについて
どのようなものかメリットなどをご紹介します。
 
<WBSとは>
「WBS(Work Breakdown Structure)」とは、プロジェクト全体のタスクを細かく分解して
進行順序を整える手法です。システム開発のスケジュール管理資料であり
プロジェクトを完了させるまでに必要な作業を細かく分類するためにWBSの導入が行われます。
端的に言えば、「WBSは作業項目の洗い出し」です。プロジェクトを大まかなタスクに分解し
細かいタスクなどは粒度に応じてツリー構造で引き下げていきます。
メリットとして、プロジェクトに必要なタスクの抜け漏れといった可能性を
抑えやすいといった点が挙げられるでしょう。
また、各タスクの作業内容や掛かる納期目安なども把握できるため
綿密なスケジュール作成をしやすいのもメリットです。
そのため、システム開発のスケジュール作成にはWBS導入が欠かせません。
 
<WBSガントチャート>
WBSはタスクを細かく分類し、プロジェクトに必要な細かい作業や納期を把握する手法です。
それに加えて、システム開発では「ガントチャート」が用いられています。
ガントチャートとは、プロジェクトの進捗や全体像を視覚的に表現できるスケジュール表です。
棒グラフのようなもので、簡単にプロジェクトの進捗状況を表すことができます。
タスクごとに細かく作業の進捗状況を表せるため、WBSと合わせてガントチャートを
利用することが一般的です。
WBSはあくまでツリー構造にて各タスクを洗い出すだけですが、ガントチャートで
タスクを管理することにより、「視覚的にわかりやすい」「進捗を確認しやすい」
といったメリットがあります。
 
<スケジュール作成でWBSを導入するメリット>
WBSではタスクを細分化しツリー構造で管理することにより、プロジェクトの進行で
必要な作業の把握漏れを抑えることができます。メリットとして、システム開発の
スケジュールをより綿密に作成できるという点が挙げられるでしょう。
 
細かいタスクを割り振ることで、プロジェクトに携わるメンバーの
作業分担もやりやすくなります。システム開発の内容に変更があった際も
ツリー構造でタスクが一覧できるため「不要になったタスク」を可視化することが可能です。
また、プロジェクトを受注・発注する際の見積もり段階で各工程を細かく分類することで
どのような作業が必要なのか、必要な予算などを具体的に提示しやすくなります。
双方が納得した作業感・納期を提示しやすくなるため、スケジュール作成でWBSを
導入することはお互いの信頼感にも繋がるメリットがあるとも言えるでしょう。
 
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