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社会保険労務士に依頼する際の手順

社会保険労務士に依頼する際は大まかな流れ・手順を事前に把握しておくとスムーズです。
まとめておおよその流れを見てみましょう。

社会保険労務士に依頼する前に 〜事前準備〜

● 依頼の目的を明確にする

社会保険労務士にお願いするにはまず契約する目的を明確にする必要があるでしょう。
依頼の前に、目的を整理することが大前提です。
<社会保険労務士と依頼内容がマッチしているか考える>
社会保険労務士は業務範囲が広いため、
一口に社会保険労務士と言っても様々な専門家がいらっしゃいます。
詳細はこちらに記載をしておりますが、
労務と社会保険分野に分かれた上に、更に労務といっても、
労使トラブル、整理解雇、メンタルヘルス、採用・研修、退職金制度など多岐に渡ります。
 
また、企業組織に関わる問題・労務に関わる問題を中心に取り扱っているとは限らず、
例えば、失業者への対応や年金相談を得意とする方などもいるので、
実際に依頼内容を明確にし、その内容が得意な社会保険労務士を探すようにしましょう。
助成金の相談などの場合は、助成金専門の方が在籍している事務所がお勧めです。

● 社会保険労務士に求めることを整理する

自社が重きを置く部分は何なのかを整理してから、社会保険労務士選びを行いましょう。
上記のように、社会保険労務士にもさまざまなタイプがあることから、
「特にどんなサポートしてほしいのか」を明確にしておく必要があります。
大きく3つに分類してみましたので、下記を参考にしてみてください。
  1. 格安価格でサービスを提供する
安く依頼した業務を遂行してくれる代わりアドバイスや訪問などはあまりしないタイプです。
主に労務手続きをメインに行っているという特徴を持ちます。
顧問契約を結んでも比較的安く月額の報酬を抑えられます。
  1. 手厚いサポートで労務の問題点を一緒に解決してくれる
諸手続きだけでなく、貴社の労務環境へのアドバイスや従業員の相談への対応など、
手厚いサポートをしてくれるタイプです。
経営者・人事担当者が気づいていない問題を発見し解決策を提案してくれることもあるでしょう。
サポートが充実している分、顧問料は高くなります。
  1. 手続きのみをする
決められた依頼のみを行うスポットなどで活躍いただけるタイプの社会保険労務士です。
依頼範囲が限定される分顧問料も安く抑えられるので、
・自社の手が回らない時
・助成金の申請など特定分野の手配を依頼したい時
・顧問の社会保険労務士・自社の社会保険労務士がいるがその方以外に頼みたい案件がある時
などにおすすめです。

社会保険労務士に依頼するのに必要な期間とは

社会保険労務士に仕事を依頼する際には、案件に応じた準備期間を確保する必要があるでしょう。
スポット契約*・顧問契約**で準備期間が大きく異なります。
<用語解説>
スポット契約*:
単発の依頼で契約をすることを示し、社会保険労務士のスポット契約は、
その分野について得意な社会保険労務士に単発依頼をする際に締結されます。
案件1つにつき、いくらという契約なので、複数案件や頻繁利用には不向きです。
顧問契約**:
社会保険労務士の顧問契約では特定の社会保険労務士から、定期的なサポートを得られます。
一般的には顧問契約を結ばれる方の方が多いかと思います。

スポット契約で依頼する場合

<必要な期間>
準備期間…1週間から数週間
実際の仕事…数日から数週間
一度の依頼で終了する案件では必要な期間は比較的短くなります。
1~2ヵ月ほどの余裕を持っておけば予定していた仕事を完了できるでしょう。

顧問契約で依頼する場合

<必要な準備期間>
依頼先決定まで…数ヵ月程度
業務を開始まで…数ヵ月から半年程度
会社で顧問契約を結ぶ社会保険労務士を探す場合には、以下の決定が必要です。
・予算の設定 ・依頼先の選定 ・担当する顧問社会保険労務士の評価
・依頼する内容の決定
など、自社内で多くの事項について詰めていく必要があります。
業務が必要になる時期を見越し、余裕を持って外注先の選定や依頼を実施していきましょう。

社会保険労務士に依頼する際の流れ

社会保険労務士の外注を考えている場合は、以下の流れで進めることになります。
※依頼内容に応じて手順が異なります。
<依頼の流れ>
  1. 社内での課題の洗い出し・検討
  1. 外注先の選定
  1. 問い合わせ・見積もり
  1. スケジュール調整・発注
  1. 業務実施(現状調査・書面の修正・相談対応など)
  1. 支払い
  1. 事後対応
 

1. 社内での課題の洗い出し・検討

そもそも依頼をするのかしないのか、なども含め、
社会保険労務士に相談したい内容を社内で洗い出し、検討します。
以下のような問題が発生している場合には、依頼を前向きに検討した方が良いでしょう。
・仕事量に合わせて従業員の雇用調整を行いたい
・雇用契約書を新規で作成したい
・従業員の保険加入に関して専門家に相談したい
・社内で労働に関する問題が発生した
相談内容の洗い出し後は、依頼方法を考えます。
・スポット契約 ・顧問契約
どちらが案件の状況に合うのかを考え、必要とするサポートの形を決めておきましょう。

2. 依頼先の選定

依頼する社会保険労務士の選定を行います。
依頼先によって担当できるサービス内容が異なることから、
自社の課題にぴったり合う外注先を選定するのが非常に重要です。

3. 問い合わせ・見積もり

依頼先の候補が決まったら、お問い合わせ・見積もり取得を行いましょう。
問い合わせや相談に時間がかかることもあるため、余裕を持っておきたいですね。
また、内容が複雑な場合や現地での調査・書類の確認などが必要な際には、
見積もりを出すのに時間を要することもあります。
その場合は先に案件の相談を行い、対応可否や過去の実績なども確認した上で、
詳細を詰めていきます。

4. 契約・スケジュール調整

サービス内容・見積金額に問題がなければ契約を結びます。
この時、内容・金額に問題がない場合でも、
・多忙で現地調査のスケジュールが組めない
・急ぎの案件に対応できない
などの事情がある場合もありますので、
契約前に自社が希望するスケジュールで対応可能かも必ず確認するようにしましょう。

5. 業務実施(現状調査・書面の修正・相談対応など)

社会保険労務士が実際の業務を実施してくださいます。
・書面の確認や労働契約書の作成など数時間から数日で完了する業務
・労働環境に関するコンサルティングなど数ヵ月から数年にわたる継続的なサポート
など、実施期間は案件内容によって大きく異なります。
また、社会保険労務士がオフィスで実施できる仕事以外にも、
自社の従業員と一緒になって作業に取り組むような業務が発生することもあるでしょう。

6. 支払い

業務が適切に完了した際には支払いを実施します。
※顧問契約を依頼する際には毎月の支払いが必要です。
仕事を依頼する際に、支払いのタイミングや方法について確認しておきましょう。

7. 事後対応

同様の問題が生じた場合や期間を空けて再度相談をしたい場合など、
事後の対応やサポートが必要になることもあります。
その際には、事後対応が可能かどうかを社会保険労務士に確認しておくと良いです。
同時に、事後対応の料金やスケジュールについても確認しておいてください。
何かあった際にすぐに相談できる体制を整えておくことで、緊急時にも対応しやすくなります。

社会保険労務士にご依頼時のスケジュールの注意点

社会保険労務士への依頼についてはスケジュールの面で気を付けておきたいポイントがあります。
より良い依頼タイミングや管理方法を見ていきましょう。

1. スケジュール調整に時間がかかることも

担当する社会保険労務士のスケジュール調整が必要になることから、
すぐに打ち合わせや見積もりができないことがあります。
特に社会保険労務士に初めて仕事を依頼する場合は、
担当する社会保険労務士の決定から必要になるので余裕を持って相談をしましょう。
もしくは急ぎの単発案件の場合には複数の社会保険労務士に相談をし、
スケジュールが組みやすい社会保険労務士に依頼する方法もあります。

2. 自社内で事前にしっかり検討しましょう

社会保険労務士に仕事を依頼する際に予想以上に時間がかかるのが社内調整です。
社会保険労務士に依頼する内容は、会社の雇用に関わる主要な業務の一部になります。
そのため、
・社内の理解が得られない
・社内で意見が割れてしまう
・社会保険労務士について選定基準・選定方法が定まらない
・依頼したい社会保険労務士に難色を示される
などで滞ってしまうことがあるのです。
また、上記を解決し、いざ依頼、となってから依頼内容についての要望が割れることもあります。
社内の要望がまとまらないと依頼することができませんし、
仮に依頼をしてしまってから変更が発生してしまうとより大きなタイムロスになりかねません。
 
上記を見越して、
・依頼するまでにそもそも数週間から数ヵ月を要する可能性がある
・サービス内容だけなく、担当する社会保険労務士と企業の関係性も見極める必要性がある
・見極めるためにも社内要望を取りまとめておく必要がある
・選定基準・手順を社内共有する
など、社内の理解を得るための工夫も行うと良いでしょう。

3. 顧問契約時は特定の日・曜日で調整すると良いでしょう

社会保険労務士に依頼したい企業は増えてきているため、
企業が要望する日時にスケジュールを確保してもらえないこともあります。
もし確実に指定した日にスケジュールを組みたいのであれば、
顧問契約を結び、毎月特定の日・曜日で依頼すると良いかもしれません。
例/
・毎月第1水曜日に従業員向けの相談室開催
・相談室開催日に関連業務のコンサルティングも依頼する
双方が毎月同じタイミングで対応できれば、スケジュール調整が楽になるでしょう。
 

いかがでしたでしょうか。
少しでも参考になる情報がありましたら幸いです!
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