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人材紹介について

「人材紹介は今更言われなくても」わかっていると思われる方も多いかもしれません。
しかし、人材紹介の仕組み・人材派遣との違いは曖昧、という方も多いのではないかと思います。
そこでこのページではまず、「人材紹介とは何か」から解説をしていきます。

人材紹介とは

まずは、人材紹介の仕組みや種類、手数料など概要を簡単に解説していきます。

人材紹介の仕組み

「人材紹介」とは、働き手を求める企業に対して有料で労働者を紹介するサービスです。
 
人材紹介会社が、人材を紹介する仕組みは以下の流れが一般的です。
  1. 人材を求める顧客企業の採用条件に合わせて選定した候補者の情報を共有する
  1. 顧客企業による書類選考を経て面接を行い、合否を決定する
  1. 正式に入社が決まった段階で契約成立となり、
  人材紹介会社は顧客企業から報酬として紹介手数料を受け取る
 
人材紹介は以下の点で利用にメリットのあるサービスです。
・成功報酬型が基本なので顧客側(ご依頼主側)には無駄な費用を支払うリスクがない
・採用担当者の業務負担の大幅に軽減
・候補者の質が担保されやすい
 
人材紹介を行う会社は以下のような特徴があります。
・職業安定法で定められた正式名称は「有料職業紹介事業」
・厚生労働大臣の許可を得た会社のみが事業を行うことが可能
・一般的に「人材紹介会社」や「転職エージェント」と呼ばれている
 
一方で、求職者にとっての人材紹介サービスは
・自身のキャリアや市場動向についてアドバイスを受けながら転職活動を進めることができる
・応募書類の提出も人材紹介会社が代行してくれる
・場合によっては書類選考なしで面接・ご紹介へと進むことが可能
というメリットのあるサービスです。
そのため、自身のスキルや経験に相応の自信をもち、キャリアアップに意欲的な求職者ほど
人材紹介サービスを利用する傾向にあります。
 

人材紹介の種類と特徴

人材紹介は人材紹介会社の業務の進め方によって大きく以下の3種類に分けられます。
それぞれどんな違いがあるのか見ていきましょう。

1. 登録型(一般紹介型)


人材紹介会社が収集した、求職者の年齢や性別、経歴、資格などの情報をデータベースへ登録し、
データベースの中から顧客企業の採用条件にマッチする人材を候補者として紹介する方法です。
一般的にいわれる人材紹介の大半が、この登録型を指しています。
 

2. サーチ型


在職中の人材の引き抜きという形になるケースもあることから
「ヘッドハンティング」「エグゼクティブサーチ」とも呼ばれます。
 
「サーチ型」は、自社のデータベースに加え、
webサイトやSNSでの情報収集、イベント・セミナーでの名刺交換、電話営業などにより
顧客企業の条件にあった人材をリサーチし、確保した候補者を顧客企業へ斡旋する方法です。
年収1,000万円を超える医師やITエンジニアといったハイスキルな専門職や、
CFOやCOOなどの会社の中核を担う人材を紹介する場合はこの形で進められることが多いです。
 
ただし、登録型と比較すると人材紹介会社の負担が多く、採用に至る確率も高くないため、
着手金の支払いを求められることが多いので注意です。
 

3. アウトプレースメント型


経営難や事業縮小により人員を削減せざるを得ない企業の退職予定者を他社へ斡旋する方法です。
登録型・サーチ型との大きな違いは、退職予定者の再就職に伴う費用は人員削減する側の企業が
負担する点です。採用する側にとっては低コストで人材を確保できるメリットがあります。
また、人材紹介会社へアウトプレースメントを依頼するのは大企業が大半なので、
スキルと実務経験を兼ね備えた人材に出会いやすいというのも特徴です。
 

人材紹介の基礎知識

人材紹介の手数料

人材紹介における紹介手数料は、
対象者の理論年収に人材派遣会社が定めた料率をかけ合わせて算出されます。
 
<人材紹介の手数料の計算方法>
紹介手数料 = 採用された人材の理論年収(※) × 人材紹介会社が設定した手数料率
※理論年収:入社初年度の12ヵ月分の給与、残業代などを含む手当、賞与の総額
 
一般的な手数料率は30〜35%程度となり、採用難易度が高い専門職・エグゼクティブ層の人材紹
介では40%を超えることもあるようです。また、スカウト・ヘッドハンティングの場合は、
着手金の支払いが求められることもあり、余裕を持った予算確保が必要になってきます。
また、人材紹介会社が企業と契約を結ぶときには、
返金規定を契約に盛り込むことが望ましいとされています。
返金規定のある人材紹介サービスを利用すると、
採用者が自己都合によって早期退職した場合は規定に応じて紹介手数料の一部が返金されます。
 
※ 料率に関して
労働局へ有料職業紹介事業の許可を申請する際に、50%を超える料率を設定している場合は
許可が下りないため、上限=50%となります。
 

登録型とサーチ型の違い

上記種類で触れたこの2つ、改めてどんな違いがあるのか・どちらが何に向いているのか、
見てみましょう。
登録型サーチ型
候補者の探し方・転職希望者にあらかじめ登録しておいてもらう ・登録者から適切な人材をリストアップ・紹介する・企業から依頼された求人に適した人材を探し出す ・登録者がいるわけではない ・WEB上や営業電話にて探し出し紹介する
費用体系について・求人依頼だけでは費用は発生しない ・採用人数分の紹介料がかかる完全成功報酬型の場合が多い・初期費用が発生する
この違いから、
幅広い人材をターゲットにしている場合は登録型
経営幹部クラス、専門性の高い人材をターゲットにしている場合はサーチ型が向いています。
 

登録型は複数利用が基本

登録型の人材紹介会社は完全成功報酬制であることが多いので、依頼先が1社でも10社でも、
発生するのは「採用人数分の手数料のみ」ですよね。
つまり、採用人数が1人なら、10社に依頼したとしても、
「1人分の理論年収×手数料率」での紹介手数料が発生するだけなのです。
そのためより良い人材を厳選採用したい場合は、より多くの人材紹介会社に求人依頼を行うことが
採用成功の鍵となるでしょう。
 
この時、
・取引社数が増えるに従って契約書の確認や管理が煩雑になる
・応募者の選考などの負担がかかる
という手元の労力が増えることについては忘れてはいけません。
依頼先の数は「無理なく管理できる程度」にしましょう。
 

人材紹介会社の仕事内容

人材紹介会社で依頼主と関わる部門は主に「法人営業」と「キャリアアドバイザー」です。
この2つの職種は、人材紹介会社においてどのような役割を担っているのでしょうか。

1.法人営業

顧客企業のニーズを聞き出して掘り下げ、要望に適した求職者を集めるのが主な役割です。
人材紹介会社によっては、リクルーティングアドバイザーとも呼ばれます。
 <具体的な業務内容>
・事業課題や採用課題のヒアリング
・人材紹介契約の締結、求人票の作成
・紹介手数料の請求など

2.キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザーの役割は、求職側の立場から企業への入社をサポートすることです。
人材紹介会社の中には、法人営業とキャリアアドバイザーを兼任しているケースもあります。
 <具体的な業務内容>
・求職者との面談やキャリアカウンセリング
・求人の案内
・求職者の推薦(応募書類の作成支援、推薦状の作成)
・面接日程の調整や入社手続きのフォローなど
 
また、人材紹介会社の中には、本人のスキル・志向に合わせて
法人営業と兼任しているキャリアアドバイザーがいるケースもあるといわれています。
 
<紹介が禁止されている職種にご注意>
紹介が禁止されている職種もあります。
メーカーからIT・医療関連まで幅広い業種の企業が利用している人材紹介サービスですが、
船内の荷役などを行う港湾運送業と土木建設業については、
いずれも業務の専門性が高く、職業安定法で有料の人材紹介が禁止されています。
 

人材紹介会社のサービス流れ

打ち合わせ

まずは人材紹介会社の法人営業担当者と打ち合わを設定し、現状の採用課題や採用したい人材の
条件を伝えます。
担当者は打ち合わせで得た情報をもとに求人票を作成して候補者を選定するため、
実務経験年数やスキル、資格といった定量的なデータだけでなく、
キャリア志向や仕事に対する考え方なども含めて「ペルソナ(人物像)」をつくりあげた上で
資料にまとめて共有することをおすすめします。
また、給与体系や評価の仕組み、研修制度などについてもあわせて伝えるようにしましょう。

契約書締結

次に、人材紹介会社と自社との間で人材紹介基本契約書*を取り交わします。
 
<用語解説>
人材紹介基本契約書:
人材紹介会社と依頼主との間で交わす契約書です。
主に人材紹介会社に支払う手数料率や秘密保持義務、
トラブル発生時の損害賠償、返金規定の有無などについての取り決めを行います。
 
<契約時の注意点 返金規定の有無の確認>
この契約の際に、特に重要なのが、返金規定の有無です。
紹介された人材が採用されたあと、すぐに退職してしまった場合に、
報酬の一部が返還されるという旨の条項が含まれているかどうかを確認してください。
返金額の料率は人材紹介会社によってさまざまです。
対象となる期間も、3ヵ月に設定している会社があれば、6ヵ月という会社もあります。
契約を締結する際は必ず、返金規定の有無とその内容を精査しましょう。
 

人材の選出および書類の提出

ヒアリングをもとに、人材紹介会社からマッチング精度の高い人材が選出されます。
マッチングが成立したあと、
本人の履歴書や職務経歴書が人材紹介会社から提出されるという流れとなります。
しかし、マッチングした人材がすべて応募にいたるとは限りません。
スキルが高い人材は多くの会社からの引き合いがあり、自社が選ばれない可能性もあるのです。
候補者にアピールするために、予めヒアリング時にしっかりと自社の強みをアピールしましょう。
<人材の選出方法>
マッチング方法はもちろん人材紹介会社によって異なります。
主な選出方法は
・職務経歴の確認
・保有するスキルの確認
・採用適性検査の利用
などで
適性・性格まで考慮して、人材をマッチングする会社もあります。
 

書類選考

マッチングの成立後、人材紹介会社から履歴書や職務経歴書が提出されます。
中には候補者の所感を付け加えてくれるところもあるでしょう。
自社で書類選考を行う際に重要なのは、「候補者に求める条件」を明確にすることです。
とはいえ、書類だけで候補者のすべての能力を測ることはできません。
書類上で必要なスキルや経験があると判断できれば書類選考を通過させ、面接を行ってから
判断をすると良いでしょう。
<書類選考の際の判断基準>
・必要なスキル   ・必要な職歴
必要なスキルや経験を明確にしておかなければ、選考者によって評価が変わってしまいます。
方針が乱れると適切に選考できないため、注意しましょう。
 

面接

書類選考を通過した候補者に対して、自社で面接を行います。
人材紹介会社を利用する場合は、採用活動に関わる業務はすべて代行してもらうことができます。
候補者との連絡、面接日の日程調整、選考結果の通知などはお任せできるので、
採用担当者は人材を選考することだけに注力できます。
<採用に至らなかった場合>
万一紹介された人材が採用にいたらなかった場合は、次の候補者が紹介されます。
自社の側が採用を見送った場合は、見送った理由などをフィードバックしましょう。
理由を明確に伝えることによって、マッチング精度の向上に期待できます。
 

採用条件の確定・内定

面接の結果、採用が確定したら人材紹介会社に採用の通知を行います。
自人材紹介会社を利用する場合は、人材紹介会社から候補者本人に採用が通知されます。
自社で行うのは、採用通知書の作成と送付だけです。
さらに、入社日の日程調整や給与などの条件交渉といった採用決定後の一連の流れも、
人材紹介会社と自社の間で行います。
この段階では内定者と連絡を取ることはありません。
入社にあたって、内定者からの質問に回答する等も含めて人材紹介会社の役割です。
尚、採用形態は直接雇用となるため、
雇用契約書や労働条件通知書などの入社に関する必要書類は自社で用意しましょう。
<自社で用意するもの>
採用通知書:採用をする旨を人材紹介会社へ通知し、人材紹介会社が本人へ通知します。
雇用契約書:通常の自社雇用同様雇用契約書を作成します。
労働条件通知書:上記同様、作成が必要です。
その他入社時に取り交わす書類全般:社会保険の加入等必要に応じて書類を用意します。
 

手数料の支払い

人材紹介会社を通して採用が完了した後は、手数料を支払います。
手数料は契約時に人材紹介基本契約書にて取り決めていますので、その通りに支払いましょう。
なお、採用通知を出したものの入社にいたらなかった場合は、手数料が発生しません。
また、万一早期退職をされてしまった場合は返金等、契約書に則って手続きを行ってください。
 
また、一度だけでなく、継続して人材紹介会社を利用したい方もいるでしょう。
そういったケースでは、人材紹介会社に対してフィードバックを行うことをおすすめします。
<人材紹介会社へのフィードバックとは>
・今回紹介された人材のどこが良くて採用にいたったのか
・採用しなかったのであれば理由は何か
など、採用・不採用に関する理由をぜひ人材紹介会社の担当者に伝えてください。
詳細であればあるほど、次回より高精度でスピーディーな人材紹介に期待できるでしょう。
 

人材派遣との違い

人材派遣では、求職者は人材派遣会社と雇用契約を結び、人材派遣会社のスタッフとして就業先へ
勤務します。受け入れる企業はあくまでも人材を「借りる」形なので、給与や社会保険料などを
負担する必要はありません。
 
人材派遣と人材紹介のもっとも大きな違いは、求職者の「雇用主の違い」です。
人材紹介されたスタッフの雇用主派遣スタッフの雇用主
依頼企業人材派遣会社
派遣では、就業先の指示・ルールのもとで進めるものの、給与・社会保険料の支払い・労働条件の
改善などの各種義務は人材派遣会社にあります。
一方、人材紹介では、指揮命令だけでなく、上記全ての義務が雇用主である人材紹介を依頼した企
業にあります。また、人材派遣には「3年ルール」*があるのに対して、
人材紹介では雇用期間の制限がありません。
*登録型人材派遣は3年を超えて同一スタッフを同一職場へと派遣することができません。
 
人材紹介を通じて採用した社員を定年まで20年・30年と雇用し続けることも可能になります。
上記の相違点から、事務やカスタマーサポートといった職種は派遣社員やアルバイトを中心に構成
し、管理職など会社の中核を担う人材は人材紹介会社経由で採用する企業も多いようです。
 
人材派遣と人材紹介の違いのまとめ <共通点> ・手数料を支払い、紹介・斡旋を通じて人材を確保する <相違点> ・雇用主の違い ・3年ルールの適用の有無
※画像は請負・委託も比較しておりますが、請負・委託はそもそも雇用関係ではありません。
 
いかがでしたでしょうか。
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