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人材派遣を発注する手順とスケジュール

このページでは人材派遣を利用する際の流れを解説していきます。
是非、流れを把握して採用活動のスケジュール作りの参考にしてください。

人材派遣を依頼する前に 〜事前準備〜

人材派遣の見積書を取得する際のポイント

1. 条件や依頼内容を明確にする

人材の条件やサービス範囲によって料金が変動するため、
希望する人材の条件や提供してほしいサービスなど、依頼内容を明確にしましょう。
人材の条件が上がれば手数料率も高くなります。
また、事務手続きは自社である程度負担した方が料金が安くなる可能性があるでしょう。
そのため、
・求めるスキル ・求める能力
などの人材に求める条件のほか、
・ポスト ・採用したい人数 ・想定給与 ・各種待遇 ・必要なサポート
など、も洗い出します。
正確な見積書を提示してもらうためにも重要ですが、洗い出し作業がしっかり行われていれば、
採用活動自体もより効率的に進めることができるのです。

人材派遣依頼するのに必要な期間とは

一般的に、人材派遣依頼をするのにかかる期間は、平均1~1ヵ月半程度です。
問い合わせをしたからすぐに来てもらえるわけではなく、
現場で勤務開始をするまでには、ある程度の期間が必要と理解しておきましょう。
選考に時間をかけるということは、丁寧に選考してもらっている結果であることもあり、
一概にデメリットとは言えません。
短期間での採用やすぐに稼働できる人材を確保できないと困る場合は、
すぐに採用できないリスクも視野に入れておく必要があるでしょう。
期間がある程度かかると想定される案件:
・初めて利用する人材派遣会社から派遣してもらう場合
 求めるスキル・人材像等のヒアリング・選考に時間がかかる場合があります。
・複数名の候補が挙がった場合
 どちらの人材が求める人材像に近いかの選定、各候補者の調整で時間がかかる場合があります。
・職場見学・(紹介予定派遣などで)面接が必要な場合
 候補者側・自社双方が納得して派遣に至るまでの期間が必要です。
・採用難易度が高い案件の場合:
 条件が厳しい・人材難な分野である場合などは人材確保に時間がかかります。
<「最短1日で就業可能」を謳う人材派遣会社>
人材派遣会社の中には、「最短1日で就業可能」などをメリットとする会社もあります。
しかし、専門的なスキルや優秀な人材を求めている場合は、
短期間で必要な人材を確保することは困難なことが多いです。
人材確保に急いでいる場合でも、
ある程度の期間を設けて余裕のあるスケジュールを組むことをおすすめします。

人材派遣を依頼する際の流れ

ここからは、人材派遣を依頼する際の一般的なスケジュールを解説していきます。
事前に流れをイメージできれば、準備すべき内容や用意が必要な情報も可視化できます。
事前に想定したスケジュールに合わせて、打ち合わせをしながら細部を決めていきましょう。

1. 人材派遣会社の選定・連絡

・気になる人材派遣会社を複数ピックアップして見積もりを取得する
・気になる企業へ連絡し具体的な話を聞く
などが最初の段階です。
コスト・得意分野・対応エリア・評判などを幅広くチェックし、理想に近い会社を選びます。
気になる企業はいきなり一社に絞り込まず、複数者へ声をかけると良いでしょう。
見積もり取得後、次の段階へ進む場合はヒアリング日程を調整していきます。
関連する担当者とやりとりをし、スケジュールを調整しましょう。

2. ヒアリング

営業担当とのヒアリングに進んでいきます。
先方の担当者に
・採用面で自社が抱えている問題点
・理想とする人材のイメージ
・業務上必須となる条件(知識・スキル・経験・資格など)
を正確に伝え、理想とするスキルや人材を固めていきましょう。
この時、採用条件をあまりに厳しくしてしまうと、募集が少なくなる可能性があります。
急いでいる方は譲歩できる部分を探してみましょう。
尚、急ぎだからといって必須スキルを外すなどは後々のミスマッチにつながりますので、
お勧めできません。
<譲歩できる部分について>
ヒアリング時に先方担当者と話をする中で、採用難易度についても確認ができると思います。
その際に、採用難易度が高いとわかった場合は、
・完全に条件から外すのではなく必須条件から歓迎条件に変更する
・現場で研修をし、育てていくことを検討する
など、状況によっては歩み寄ることを検討してみると良いでしょう。

3. 派遣会社との契約締結

人材派遣会社側との合意が取れ次第、労働者派遣基本契約を締結します。
人材派遣では多くの場合、「基本契約」*と「個別契約」**に分かれているため、
どちらの説明も欠かさず確認しておくことが重要です。
人材派遣会社によっては、
それぞれを分けて契約する方法とまとめて契約する方法に分かれるため、
事前に流れを確認しておきましょう。
<用語解説>
*基本契約:
料金システムや秘密保持など、名前の通り基本的な項目への同意を求めるために締結します。
基本契約は主に、派遣先・派遣元との間の取り決めが中心です。
目的条項・個別契約との関連・派遣料金・損害賠償・機密保持・契約解除規定・有効期限
など、企業間での依頼で必要な諸項目を盛り込んでいます。
**個別契約:
基本契約の明細事項や記載が必要な法定記載項目を盛り込んだものです。
・業務内容・派遣期間・就業場所・就業日、時間・派遣先責任者・派遣元責任者・派遣人数
など細かな就業条件を指定するためのもので、雇用契約書に近いものになります。
途中で派遣される人材が変更になる場合は、都度この契約書を締結し直す必要があります。

4.マッチング

ヒアリング内容をもとに、人材派遣会社が適した人材を選定してくれます。
この間、クライアント側で特にやるべきことはないので先方からの連絡を待ちましょう。
なおマッチング期間については案件・派遣会社の登録スタッフの状況次第です。
エンジニアやコンサルタントなど専門職では時間がかかることがある反面、
事務職や軽作業スタッフの場合、即日紹介を受けられる可能性もあります。
募集したい職種の採用難易度・季節要因*を加味し余裕あるスケジュールを組むと良いでしょう。
<用語解説>
*季節要因とは:
一般的に派遣に限らず、人材採用では年度替わりのタイミングが繁忙期です。
企業側も人材側も同時に一気に動きます。
1~4月、ずれ込んでしまうと5月くらいは求人がたくさん出てきます。
異動・家族都合などでの退職、学生であれば卒業・就職による退職があり得る時期なので
皆が一斉に募集をするということは採用難易度は上がるということになります。
※この時、他社より条件が良い、他社より魅力を感じてもらえるものがある場合は
他社と比べてより良い人材獲得が見込めます。
派遣を活用して採用する場合で、魅力を感じてもらうには、
2のヒアリングの部分で担当者と綿密にやりとりをすることが肝心といえます。

5.紹介

派遣会社から人材の提案があったら、
・求めるスキルや知識を兼ね備えているか
・十分な実務経験があるか
など、必要な項目をしっかりチェックして契約を検討しましょう。
紹介予定派遣を利用する場合は、この段階で候補者と直接顔をあわせて面談したり、
候補者にオフィスを見学してもらったりすることも可能です。
※詳細は注意すべきポイントを参照ください。
 
また、紹介を受けた場合は、書類にしっかりと目を通すだけでなく、
候補者の将来的なキャリア志向や居住地に目を向けるのも忘れずにしましょう。
<注意すべきポイント:原則面接は禁止>
人材派遣を利用する場合は、派遣される予定のスタッフとの原則面接は禁止となっており、
違反してしまうと労働者派遣法に抵触します。
禁止行為:
・事前面接 ・履歴書等応募書類の提出要請
・年齢性別の限定 ・適性検査の実施
これらは労働者の保護の観点から禁止されています。
 
例外として認められているのが、
・紹介予定派遣 
直雇用を前提としている場合、
事前面接や紹介予定者自ら履歴書等を提出することなどが認められます。
・顔合わせ目的での面談
派遣労働者が自身が派遣される予定の職場について事前に把握したい場合、
派遣元・派遣先・該当のスタッフで三者面談を行うことが可能となります。
ただし、採用・不採用を決める場ではないため、禁止されている質問などもあります。
事前に把握して、禁止行為のないように留意しましょう。
  認められるケース:
 業務内容・職場環境の確認のための面談
認められないケース:
 派遣先が派遣スタッフの可否を判断するための面談
 派遣スタッフと派遣先のみでの面談
 年齢・出身・学歴・職歴など選考と判断されるようなことを質問する面談

6.労働者個別派遣契約の締結

候補者が求める条件とマッチし、候補者自身からも同意が得られたら、
派遣会社との間で契約(労働者個別派遣契約)を締結します。
就業スタートは契約で定めた日からとなります。
なお、派遣会社によっては、勤務開始前に研修やトレーニングを行ってくれることもあります。
また就業後のフォローアップ・定期訪問・ヒアリングに対応しているところも少なくありません。

7. 勤務開始

無事に契約の手続きが済み次第、定めた勤務日から実際の勤務が開始されます。
初日は基本的なルールや社内備品の説明などを徹底しましょう。
人材派遣会社から紹介された人材であっても、個別のやり取りは大きく変わりません。
あらかじめ指定してある業務内容を大幅に超えないようにすることには注意を払いつつ、
自社の一員として早めに馴染んでもらえるよう努めましょう。
円滑なコミュニケーションを築ければ、高いパフォーマンスを期待できます。

8. 派遣先管理台帳の作成

派遣社員それぞれ個別に「派遣先管理台帳」*を作成します。
日ごとの就業時間・業務内容・責任の程度や様子などを書き込み、記録しておきましょう。
<用語解説>
*派遣先管理台帳:
派遣元である派遣会社に提出する書類です。個別契約書とセットになっている場合もあります。
勤怠管理は正社員や契約社員と異なるため注意しましょう。
尚、派遣終了から3年間は保管しておく義務があるため、誤って破棄しないよう注意が必要です。
派遣会社がフォーマットを所持している場合も多く、その場合作成に手間はかかりません。

9.契約更新

契約満期が近づいたら、派遣中の社員との契約を更新するかどうかを判断します。
・直属の上司・同僚からの評判
・日常的に見える働きぶり
・自社で発揮したパフォーマンス
などを総合的に加味して判断し、本人の意思確認も併せて行いましょう。
あいまいな更新はトラブルにつながりかねません。
慣れないうちは人材派遣会社に相談しながら、面談を設けていくことがおすすめです。
遅くても満期を迎える1ヵ月前までの面談をおすすめします。
また、契約終了の場合は30日前までの通告が必要な点にも注意しましょう。

人材派遣のスケジュールを組むときのポイント

ここからは、人材派遣のスケジュールを組むときのポイントを紹介していきます。
人材派遣によってなるべくスピーディーに、かつミスマッチやトラブルを避けるためにも、
どのようなポイントが大切なのかを理解しておきましょう。

1. 依頼背景や必要期間を明確にする

人材派遣会社に依頼する前に、
・利用を検討している背景  ・人材が必要な期間
を正確に把握し、相談しましょう。
人材のイメージにずれが発生しないための対策が可能です。
また、一見言いづらいことでも、遠慮せずに相談しておくことが成功の秘訣です。
「退職者が相次いで困っている」
「以前に別の派遣会社を利用して失敗した経験がある」
など、ネガティブな情報も共有しておけば、適した対策と提案をしてくれるかもしれません。

2. 就業条件を過不足なく伝える

求めている人材のスキルや必要期間によって、人材を用意できる期間が大きく異なるため、
就業時間・就業曜日・休日数・勤務する部署・業務内容などは正確に伝えましょう。
また、トラブルを防ぐためにも
・残業時間の有無  ・制服、オフィス用品の貸与
など、事前に細かな点も提示しておきましょう。

いかがでしたでしょうか。
少しでも参考になる情報がありましたら幸いです!
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