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税理士・会計士へ依頼する際のメリット・デメリット

会社を経営する上で欠かせない「納税」とそれに向けての「税務関連の業務」。
法人としての規模が拡大していくにつれて、自社で賄うのは難しくなっていくものです。
外部の税理士へサポートをお願いした場合は、どんなメリットがあるのでしょうか?
今回は税務に関する処理について、自社で行う場合と税理士に依頼する場合を比較します。
また、後半では会計士への依頼についても軽く触れておりますので、ご確認ください。

税理士に依頼する場合と自社で対応する場合の違い

確定申告や税務書類の作成といった各種処理について
自社で行う方と税理士に依頼する方、それぞれの考え方を参考にしてみましょう。
<確定申告や税務書類作成>
専門性や難易度は高いものの、必ず税理士に依頼しなければならないわけではない業務。
<自社で行う方の場合>
・自分で対応できる範囲なので自社で行う
個人事業主や数名ほどの小規模な企業では、自前で対応しているケースも少なくないでしょう。
自社であればコストがかからずに作成ができる、という考え方もあります。
※ある程度の規模でも「税務関連の業務を専任する担当者を置く」企業もあります。
 
<税理士へ依頼する方の場合>
・書類は作成できても、簡単にできるものではないので外部へ依頼
書類作成は手間もかかり、業務の妨げとなることがあります。
特にある程度の企業規模になってくると、会計や財務は複雑になってきますので、
経営者だけでは手が回らない・税務担当を置くよりは外部へ依頼したい、となることも。
・第三者視点からのアドバイスを受けられる
税理士に依頼すれば、税理士の独占業務である税務代行や相談をできるだけでなく、
記帳代行といった経理面のサポートまで一任することが可能になります。
更に最近では、M&A支援のような「経営コンサルティング」に対応する税理士も増えています。
業務負担が減りアドバイスが受けられるので、複合的に判断して依頼する方もいらっしゃいます。
税理士に依頼することは、良きビジネスパートナーを得ることにもつながる、ということです。

自社対応した場合のメリット・デメリット

実際に自社で対応する場合について、詳しくご紹介します。
メリットデメリット
1. コストが抑えられる1. 的確な処理が難しい
2. 税務のノウハウが蓄積できる2. 本業に集中しづらくなる

自社で対応するメリット

 1. コストが抑えられる

当然ではありますが、自社ですべて対応できれば、税理士に依頼する費用は掛かりません。
例えば顧問税理士をつけることになれば、通常は毎月定額の料金が請求されることになります。
企業の規模や売上高によって異なりますが、年間にして数十万円程度になると想定できます。
現在の人員で税務対応をしながら業務を回せるのであれば問題ありませんが、
仮に税務対応に向けて新たに人材を採用する場合には、
さほど税理士に外注する経費と変わらなくなる可能性もありえます。
人員を増やす際には、しっかりとバランスを見極める必要があります。

 2. 税務のノウハウが蓄積できる

税務を対応していく中で必然的に専門的な知識を学びながら進めていくことになるでしょう。
経験を積んでいくことで、実践的なナレッジ・ノウハウとして蓄積できる点はメリットです。

自社で対応するデメリット

 1. 的確な処理が難しい

やはり税務の専門家でなければ、的確な処理は難しいと考えられます。
税理士であれば把握できることも、専門外の人間ではカバーしきれない部分は多々あるでしょう。
もし確定申告でミスがあれば、余分に税金を支払っている可能性も少なくありません。
反対に、正しく申告できず納税が少ないのであれば、知らずに脱税してしまっているケースも。
また税務調査の際にも、深い知識がないと、税務署員の追及に対応するのは非常に困難です。

 2. 本業に集中しづらくなる

税務関連の処理を進めるには、どうしても手間も時間も掛かってしまうのが事実です。
経営していくためには欠かせない部分ではありますが、自社ですべて対応しようと思うと、
事業を動かすための仕事に労力を割きづらくなってしまいます。
特に人材不足の場合には注意が必要です。

税理士に依頼した場合のメリット・デメリット

ここからは税理士に依頼した場合のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリットデメリット
1. 過不足のない納税ができる1. まとまった費用が掛かる
2. 経営のサポートも任せられる2. 相性が合わない可能性がある
3. 税務調査に対応してもらえる
4. 会計の手間が省略できる
5. 状況に応じてスポットでの利用も可能

税理士に依頼するメリット

 1. 過不足のない納税ができる

確定申告で的確な処理ができていないと、当然ながら納税額に大きく影響します。
プロの税理士に正しく対応してもらえば、致命的なミスや認識不足を避けることが可能となり、
本来納税すべき金額に是正できる効果が見込めます。
さらに豊富なノウハウをもとに節税に向けたテクニックを教えてもらえるメリットもあります。
どのように経費を取り扱うことで税金対策になるのかなど、
具体的かつ正確な手法で工夫でき、コスト削減にも協力してもらえるのが利点です。

 2. 経営のサポートも任せられる

経営全般のアドバイスまでカバーしている税理士の会社は多くあります。
仮に顧問契約をしていれば定期的に面談にも来てもらえるため、都度相談できるのが利点です。
またプロの手が入ることで、税務書類なども的確に作成でき、金融機関からの信用が高まります。
節税・書類に限らず、資金繰りなども含んだ幅広い視点からのサポートが受けられるでしょう。

 3. 税務調査に対応してもらえる

税務調査は企業の規模や業種に関係なく、いつ実施されるのかは分からないものです。
税務署員による調査は非常に厳しく、専門知識必要な質問をされることも珍しくありません。
そこで外部の税理士と契約しておけば、いざという時に頼れるのが大きな利点です。
税理士が入っていることで、正確な申告ができているだろうと判断されるため、
税務調査の確率が下がるともいわれています。
ちなみに税務調査の立ち会いは、顧問税理士ならではの特権なので、覚えておくと良いでしょう。

 4. 会計の手間が省略できる

税理士の会社によっては、給与計算や年末調整などの経理を代行している場合も多々あります。
記帳といった細かな処理には意外と手間が掛かります。
日常的な会計業務から一任できれば、社内の負担を大きく減らせる効果が見込めます。
人手が足りない場合は、依頼したい業務の他にも依頼できる業務がないか尋ねてみましょう。
人員とのバランスを見て任せられる部分は任せたほうがコスト削減につながる可能性もあります。

 5. 状況に応じてスポットでの利用も可能

税理士に依頼するというと、顧問契約のイメージがあるかもしれません。
しかし場合によっては特定の業務に限定して依頼することも可能です。
できるだけ費用を抑えたい・さほど手厚いサービスは求めていないといった際には、
スポットで利用するのも1つの手です。
スポット利用の場合は状況に応じてサービスの使い分けができるのが大きなメリットといえます。

税理士に依頼するデメリット

 1. まとまった費用が掛かる

税理士と顧問契約をすると、毎月の固定費がかさむ事態は避けられません。
いつでも税理士に頼れる分まとまったコストが掛かってしまう部分はデメリットとなるでしょう。
ちなみにスポットで依頼することで、費用を削減できる可能性はありますので、
顧問契約・スポット契約についても検討してみると良いかもしれません。
なお自社で対応するにしても、全くコストが掛からないわけではありません。
実は人件費と比較してみると、さほど税理士に依頼する費用と変わらないケースは多々あります。
社内で税務に強い人材がいないのであれば、税理士に依頼するのが良いでしょう。

 2. 相性が合わない可能性がある

税理士・税理士事務所といっても、それぞれ得意としている分野や業種は大きく異なります。
節税の対策や税務相談のスタイルも変わってきますので、
依頼したい税理士の特性を見極めた上で依頼しないと、相性が合わない危険性もあります。
逆にいえばマッチングさえうまくいけば、税理士に依頼した方が得られるメリットは大きいです。
経営に大きく関わるものだからこそ、本来ならプロに任せるのがベストであることを考え、
相性の良い税理士・税理士事務所を探すようにしましょう。
 
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会計士に依頼する場合と自社で対応する場合の違い

会計監査については、法定のものも多く、法定監査を自社で対応することはできません。
必ず会計監査人を専任し監査証明を得る必要があり、怠ってしまうと法令違反となります。
そのため、会計士については「自社対応」とできない部分が多いので、
今回は「任意監査」をあえて依頼する場合のメリットを見てみましょう。

任意監査を会計士に依頼するメリット

 
メリット
1. 第三者の立場から助言が得られる
2. 内在リスクが特定できる
3. 金融機関からの評価向上・社会的信頼の獲得につながる可能性がある
 
参考:Money Forwardクラウド会計 会計用語集 任意監査とは

 1. 第三者の立場から助言が得られる

・財務諸表が適正に作成されているか
・財務状況が健全であるか
など、第三者の立場から会計士が判断してくれます。
適切であるかの判断だけでなく、専門的な立場からアドバイスを得ることができるので、
例えばM&Aを考えている場合など、より最適な財務管理について把握することができるのです。

 2. 内在リスクが特定できる

事業を展開する中で、組織が大きくなればなるほど、内在リスクは膨らんでいきます。
短期的な財務の管理・改善だけでなく中長期的な視点で見た時に、
持続可能な健全な財務状況であるのか、想定されるリスクはないのかなどを分析すること、
分析を基に対策を立てることはとても重要です。
これらは経営陣のみで判断するのではなく、第三者目線で見ることができ、
財務状況も把握することができる会計士などに依頼すると良いでしょう。

 3. 金融機関からの評価向上・社会的信頼の獲得につながる可能性がある

任意監査を受ける最大のメリットは社会的信頼の獲得ではないでしょうか。
自発的な任意監査の依頼は、正当な財務処理・財務管理を行なっているという、
社会的な信頼・評価の獲得へとつながります。
経理の適正化を測った結果、社会的に信頼されうるものとなり得るのは素晴らしい相乗効果です。
また、任意監査の中には自発的な依頼の他に、
第三者より被監査会社への信用供与を行う際の条件として監査を義務付けるケースがあります。
例えば、「金融機関が有投資の条件として要求する」などがこの類に当たるのですが、
「任意監査は金融機関からの評価を向上させる・社会的信頼を獲得するための手段となり得る」
ということなのです。
 
いかがでしたでしょうか?
税理士・会計士に依頼するメリット・デメリットを理解し、自社の状況に照らし検討しましょう。

少しでも参考になる情報がありましたら幸いです!
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