📅

データセンター利用の手順

データセンターを利用するには、どんな準備が必要になるのでしょうか。
ここでは導入する際に必要な手順などをご紹介します。

データセンター利用の前に 〜事前準備〜

データセンターはどのデータセンターでも同一のサービスを提供してくれるわけではありません。
そのため、利用を検討する前に、いくつか行うべきことがあります。

1. 社内規約や必須要件を確認する

データ管理においては社内規約、特にセキュリティ・機密管理に関する要件の確認が必要です。
せっかく予算に合う、良いデータセンターを見つけても、社内申請を出して却下されてしまった
なんてことになっては労力の無駄になってしまいますので、事前に入念に調べましょう。
また、社内規約だけでなく、求めるスペック・サービスについてもチェックが必要です。
例えば、自社のラックを持ち込みたいケースなどでは、
  • 持ち込みを認めてくれるサービス
  • 持ち込み不可のサービス
  • 持ち込みを認めてくれるがラックの設置費用や別途スペース利用料がかかるサービス
  • ネットワーク監視や障害対応オプションの対象になるサービス・対象外になるサービス
とデータセンターによって対応が異なります。
物の持ち込み以外にセキュリティシステムや機器運用などについても各社で必須要件・要望が
あるかと思いますので、事前に社内確認を済ませておきましょう。
<一般的でないものを持ち込みたい場合>
持ち込み可能なデータセンターの場合、
持ち込む機器や回線キャリアに指定がないことが多いようです。
ただし、一般的でない機器を持ち込む際はご相談が必要ですし、回線キャリアによっては、
引き込みできない場合もあります。
希望のキャリアを利用できるかどうか事前の確認を行いましょう。

2. 事前見学を希望する場合は、見学可否の確認をする

多くのデータセンターで見学が可能なようです。
しかし、データセンターはそのセキュリティの都合上、詳細な位置が公表されていないため、
各自で事前に問い合わせる必要があります。
見学の際は、警備体制や入退室管理、地震や停電、火災対策などを充分にご確認ください。
また、作業スペースの有無や自社からのアクセスなども併せてチェックするようにしましょう。

データセンター利用の流れ

1. お問い合わせ

まずは気になるデータセンターへと問い合わせを行います。
  • 事前に社内の要件などを確認し、要件を満たす企業へ問い合わせをする
  • 企業間のマッチングサービスなどで要件を記し該当する企業を募集する
などして対応可能な企業を探しましょう。

2. ヒアリング・見積もり取得

具体的なご相談をおこなっていきます。
まず、どんなサービスを求めているのか、利用目的・重要視する項目・必須項目、
利用予定のデータの規模や扱う内容、注意条項などをお伝えしましょう。
お伝えした内容をもとに、プランを提案してくれたり、見積もりを提示してくれたりします。
できれば複数社のサービスを見比べ、最適なサービスを見極めましょう。

3. お申し込み

詳細を確認し、納得のできるデータセンターである場合はお申し込みに進みます。
サービスの特性上、契約時に諸注意・利用規約などを提示されることが多くなりますので、
詳細まで目を通すようにしましょう。

4. サービスの利用

ハウジング・ホスティングで流れは少し異なりますが、契約後はサービス利用の開始となります。
データセンター側で必要なラック・機器類の用意が整った後は、
自社で準備・搬入する必要があるものは準備し搬入を行っていきます。
準備が整えば利用開始となります。

既存サーバーから移行の場合の流れ

既に社内にサーバーなど設備が整っている状況からデータセンターの利用へ切り替える際は、
既存の環境をデータセンター内で再現・再構築する必要があります。
新規事業などでデータセンターを1から利用する場合とは違った注意点がありますし、
移行方法にも複数のやり方があります。
データセンター移行方法について考えてみましょう。

移行方法について

移行方法の代表例を3つ見てみましょう。

1. リフトアンドシフト

ハードウェアを物理的に運ぶ方法になります。
サーバーを構築しているハードウェア類を物理的に引っ越しすることです。
丸ごと移設するので、データを複製し移し替えたり再構築したりといった手間はかかりませんが
万が一移動中に衝撃などが加わった場合は、ハードウェアが損傷してしまったり、
データが破損したりするリスクもあります。
また、輸送中はサーバーを停止することになりますので、一定期間稼働ストップとなるでしょう。
顧客へ影響がある・自社の業務に支障がある点は注意すべきです。
ちなみに、費用と移行にかかる期間は比較的抑えられる方法となります。

2. レプリケーション

物理サーバー間でデータ複製を行う方法です。
既存の物理サーバーからデータセンターの新しい物理サーバーへとデータを移行します。
業務やサービスの提供を中断せずにデータセンターへ移行できます。
既に構築されている環境を、データセンターで再現するには新たな設備を用意する必要があり、
費用はかかってしまうのがデメリットです。

3. バーチャライゼーションの有効化

既に構築している物理サーバーから仮想サーバーへと移行させます。
既存の物理サーバーのリソースを仮想環境を構築することで有効活用できます。
新規サーバーの設置が不要なのでデータ移行の効率が良く、
業務・サービスを中断せずにデータセンターへと移行できるでしょう。
仮想化技術を活用できるようになればコスト最適化に繋がりますし、
システムを集約して管理できるようにもなるため運用の負担も軽減する方法です。
<データセンター移行に伴うリスク>
データセンターを利用するメリットは多いですが、引っ越しにはリスクもあります。
  • これまでのサービスの可用性が保てない可能性
物理サーバーを移動・設定を変更などするとサービスの可用性を保てない可能性があります。
既存の設定を再現できず、現状のシステムが使えなくなってしまった…となっては大損害です。
移行後も既存システムと同様に稼働できるかを入念にテスト・確認することが必要です。
  • 輸送中に破損してしまう可能性
物理的にな引っ越しを伴う場合は輸送中にハードウェアが損傷する可能性があります。
万一損傷してしまうと、せっかく移設しても利用することができない、
データを消失してしまったなどの事態になることもあります。
損傷しないよう引越し計画を入念に練り、万が一を想定しバックアップの準備をしましょう。

サーバー移行のための手順

1. 事前に入念に計画を練る

データセンター移行で最も大切なのは「移行計画」です。
  • サーバを移行する方法
  • 移行に必要な設備
  • 移行スケジュール
  • 移行にかかる費用
  • バックアップの準備方法
などを事前に確認しましょう。
移行完了後に完全に復元できるように各配線までを含んだ設計書を作成します。
  • サーバで実行中の設定と保存されている設定が同一かの確認
  • 各ネットワーク機器の設定の確認
など機器類の確認も怠らないようにしましょう。
上記の実施にはそれなりの時間と労力がかかります。
データセンターへの移行を決めた場合は、早めに事前人日に取り掛かり、
抜け漏れのない正確な計画を立てて動けるようにしましょう。

2. 事前に丁寧なリハーサルを行う

データセンターへいきなり移設するのはリスクが高く危険です。
事前に立てた計画に問題がないか・スムーズに実施できるか、リハーサルを行ないましょう。
リハーサルは、実際に動いてみることで必要な動線・時間の割り出しをする側面もあります。
動いてみるとうまくいかないことや、想定外の問題などが出てくることもあり得ます。
確実に速やかにサーバーを移行するために、丁寧なリハーサルを行なってください。
また、データセンター移行は複数人で一丸となって進めることが多いかと思います。
その際、リハーサルと当日参加者が違ってしまえばうまく進めることはできないかもしれません。
参加予定者、万一欠席者が出た際のバックアップ要員がいるのであればその方も含めた全員が
事前に計画・リハーサルを理解した万全な状態であることが重要になりますので、
参加予定者・バックアップ要員全員で確認作業を行なっておきましょう。

3. 移行計画とリハーサルどおりに実行する

1.2.で立てた計画・リハーサルを行かさなければ意味がありません。
実際の移設では計画・リハーサルに基づいて進めることがとても大切です。
 

いかがでしたでしょうか。
少しでも参考になる情報がありましたら幸いです!
アイミツCLOUDへのご依頼はこちらから